「水星の逆行の話 ~本当は前に進んでいる~」
(2011年8月号)
急がば回れ
今月(2011年8月3日~27日)まで、現在天を運行中の水星が逆行しています。
水星の逆行は1年におよそ3回、1回につき約3週間ほど逆行します。
もちろん実際に水星が逆向きに動くということではありません。
太陽を中心として、太陽の向こう側を水星が通過しているとき(順行)と異なって、地球側(手前側)を水星が通過している際、星座を逆方向に進んでいるように見えるために、あくまで見かけ上の逆行という現象として、とらえるのです。
占星学では分かりやすい喩えとして、「スピードを出して走行中の車から、走行中の自転車を見ると、自転車を追い抜く際に、自転車が後ろ向きに進んでいるように見える」というのがあります。
つまり、実際にはどちらも(車も自転車も)同じ方向にむかっているのですよね。
占星学でのメジャーな見方では、水星の逆行期間は、水星の管轄する事物「移動(交通)、情報、伝達、計算など」に遅れやミスあるいは足踏みが発生すると云われています。
ほかの惑星(太陽、月以外)も逆行しますが、
水星は動きが早く、
又、土星外惑星(革新の天王星、夢の海王星、変容の冥王星)などと
違っていつもの実生活に密着した「移動やコミュニケーション(情報伝達)」を司る惑星であるため、パターンが表面に見えやすい、わかりやすいのです。
さて私は、水星が逆行する時期は、プラスの強みがあると考えています。
過去を振り返りやすい、足踏みしやすい、内側に意識が向きやすい。
これらは、前に進むにあたって、重要なものです。
もちろん、順行に比べて視野の範囲は社会的というよりは
個人的になるといわれていますが、だからこそ個人的な
調整、見直し、練り直し、内部対話にはぴったりの時期。
それに、実際には惑星が逆行していないこと=見かけだけ逆行に
見えることが示唆しているように、
足踏みしていると思うときでさえ、人生は前に進んでいるのです。
逆にいえば、逆行時期があるから、無事、前にすすむ。
まっしぐらにただただ進むことも良いですが、
それと同じ位、足踏みしたり練り直したりも大事。
その期間があるからこそ、様々な調整が完了し、まっしぐらに進むべきときにスムースに動けるのです。
水星逆行の期間は、いつもより時間に余裕を持ち、情報伝達関連に関しても丁寧に確認することが、結果的には時間を無駄にしない
「急がば回れ」期間かもしれません。
どうぞ良い時間をお過ごしください。