「月~あなたの素の顔は、月が知っている~」
(2005年11月号)
リラックスした時の私
今回は月です。
占星学において、月は、あなたのプライベートの顔、あなたの“本能的な”反応をあらわします。
つまり、あなたが生まれた瞬間、夜空にある月が、どの星座やハウスに位置し、他の天体とどんな角度をとっていたかという情報には、
「あなたの素の顔や、家族や親しい人にしか見せない本能的行動や生活習慣」が示されているのです。
例を挙げてみましょう。生まれた瞬間に、太陽がやぎ座、月がおひつじ座に位置していたとします。
この場合、社会生活や仕事では大人的で責任感があり、良い意味で保守的な信頼感があります。
けれど、プライベートでは、かなり“思い立ったが吉日”的な直感やひらめきに突き動かされて、良い意味で子どものように衝動的に行動したりします。
又、太陽がおうし座にあって、お仕事で安定していて慎重派な方が、プライベートでの過ごし方をお聞きすると、驚く程計画性のない大胆な冒険旅行をされていて、そのギャップに感激しながら誕生時の月を見ると、月が、冒険好き&アバウトで楽天的ないて座にあったりします。
仕事とプライベートは違う、とわりきる人は、往々にして、太陽と月が、全く違う元素の質の星座に位置していることが多いのです。
太陽は自分の人生をどう考えるか、という理性や意志をあらわします。
逆に月は、自分の人生をどう感じるか、という感情をあらわします。
一般に、年齢を重ねればかさねるほど、太陽星座の性格が顕著に出てくるのは大人になるにつれて、理性が増していくからです。
理性と感情のバランス、それは太陽と月のバランスでもあります。
つまり、あなたの中の父性(太陽)と母性(月)のバランスでもあるのです。
人は、身近な相手(家族や夫婦、恋人、親しい友人や仲間など)に対してほど感情を出したり、素の顔で接するので、そういった、自分の身近な関係の人の前では、月が位置する星座の性格になっていたりします。
個人的な体験でも、だんだん仲良くなった友人などで
「あれ?この方は太陽が射手座なのに射手座のカラッとした博愛(広い愛)と いうよりも、すごく一途で深い人情や人に対する愛着心を感じるなあ」 と思うと、案の定、月がさそり座に位置していたりします。
つまり、太陽は昼間、月は夜に姿を見せるように、月は、あなたのプライベートの顔という意味での、裏の顔。素の顔をあらわすのです。
魚座に月がある人は、お酒をたしなむことでホッとする傾向が(他星座と比較して)あるようです。
魚座に月がある人が、眠る前に寝酒を飲むのを見て、私自身はその人のことを「よっぽどお酒が好きなのだなあ」なんて思っていました。 けれど実は、お酒が好きというよりは、ただ素の自分にかえろうとしていたわけです。
人がホッとするツボは、当然ながら、違います。
掃除をして身の回りを整理整頓することで落ち着く方もいれば(おとめ座の月の方に多い)、お喋りしまくる事がホッとする方もいらっしゃるし (双子座の月の方に多い)、本を読むことでホッとする方もいます(いて座の月の方に多い)。
人は、自分のホッとするツボや行動を、無意識に知っているのです。
ちなみに、私は月も太陽も同じ星座に位置しています。
これは、考えていることと感じていることが同じ=仕事とプライベートの境目がない、ということにもなります。
そのせいか、私の周りで、同じ星座に太陽や月が位置している方は何らかの作家さんや会社経営者、ショップなどの自営業をされているなど、プライベートと仕事の境があまり無い生活スタイルや職業に就いてらっしゃるケースが散見されます。
さて、話は戻りますが、前述したように、理性と感情のバランス、それは太陽と月のバランスでもあります。
太陽が、あなたの“こうありたい自分”だとしたら、月は、素のままのあなたです。
人生は、目標とする自分を意識することも大切ですが、同時に、素のあなたも大切にすることで、より理性と感情のバランスがとれてくるものなのかもしれません。
時代のコンピューター化がすすみ、日常のスピードも加速し、ともすれば無味乾燥になって しまいがちな現代こそ、ホッとする時間を持ち、素の自分も 大切にすることで、人生に潤いが増し、公私のベストバランスに繋がることでしょう。