お福分けヴィーナス

偉人のあげまん妻
今回は、元祖あげまん見性院(けんしょういん)さんについて書きます。
NHK大河ドラマ『功名が辻』(2006年)で取り上げられた女性なので、ご存知の方も多いかもしれません。
土佐国藩主となる山内一豊の正室で、「千代(ちよ)」(のち見性院)という名前だったという説が有力です。
内助の功という言葉の発祥はこの女性だったともいわれますが、おおまかにいえば、千代さんの智恵が夫の出世を助けたと解釈されています。
では、その出世とは?
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の3つの時代を生き延びたのはもちろん、都度それらのリーダーから比較的厚遇を受け、こと家康が天下をおさめたときには土佐一国の主となっています。
なお、この時代は一国一城の主になることが出世の最高峰だったのです。
「女運(にょうん)というのがある。
連れそう女房の持って生まれた運の光で男の運は左右されるのだという。」『功名が辻』より転載
では、千代さんはどんな智恵を夫に差し上げて出世をサポートしたのでしょう?
くわしくは司馬遼太郎先生の『功名が辻』をお読みください。
さて、内助の功というと、ひたすら縁の下から健気に夫を支えるという古風イメージがありますが、元祖あげまん先輩千代さんは、言い伝えられている諸々の内容を読む限りでは、そういうキャラクターではなさそうです。
天真爛漫、ということ。どちらかというと「自分が楽しんでいる」感じです。
考えてみれば、そうですよね。自分が楽しんで生きているとき、一番良いアイディアや魅力、美しさ、癒しといった女性のもつギフトが発揮されます。
話題は変わりますが、以前、経営の神様ともいわれた船井幸雄さんが、その自著の中でご自身の奥様について書かれていました。
船井先生が直感力について研究していたとき、奥様はすでに物心ついた時から心の中に答えを教えてくれる存在がいて、その存在とコンタクトをとっていたのことが判明した、という内容でした。
又、以前、世界的に有名な日本の画家夫妻と親交のある方が「作品を創っているのは旦那さんだけど、奥様が明らかに天と繋がっている」
と教えてくださったことがありました。
上記のお二方の奥様についても、(限られた情報から判断する限りでは)「楽しんでいる」あるいは「内なるガイドと繋がっている」ことが伝わってきます。
内側に大切なものを見出している=内なるガイドに耳を傾けているとき、人生のいかなるときにも楽しんで流れに乗ることができ、大事な人を最高の形でサポートできるのかもしれません。
ひょっとしたら、あげまんとは、内なるガイドと繋がり、楽しむことの達人なのかもしれませんね。